適職診断例 – 海外営業(36歳男性)の方のケース

相談者は、海外居住経験があり英語に全く不自由がない36歳の男性です。彼の現在の仕事は日本企業の海外営業です。LUMINAの赤(結果重視)が強いので、セールスは適職で、これまでの経験を活かしやりがいを感じて日々を過ごしていました。半年ほど前から、職場の人間関係も影響したのか、キャリアの方向性を変えたいと考えるようになりました。

 

 

彼が次にチャレンジしてみたいのは、人事です。まったく違う路線のように思えますが、彼のLUMINAを見ると、緑(人間重視)も大きいので、「人」に興味があることは理解できます。赤(結果重視)と緑(人間重視)の組み合わせなので、労務のように計測できない分野ではなく、採用など数字で自分の仕事の成果がはっきり図れることが望ましいです。

彼は人柄も良く、仕事ができる人なので、社内で人事に異動しないかという話が持ち上がっていました。私は、「この話に乗りなさい」とアドバイスしました。理由は、彼の年齢です。本気でキャリアの方向性を変えたい時、年齢差別の傾向が強い日本で、外資の労働市場でキャリアチェンジが可能なのは30歳までだからです。社内であれば、日々の関わりの中で、「彼ならできると思うからやらせてみよう」という展開にもなります。これがまっさらの外部では、英文履歴書を見た段階で「38歳で人事の未経験者」と判断され、即アウトになってしまいます。

チャレンジしたい全く畑の違う仕事が社内にある場合は、もろもろ目をつぶって、まずは機会を得ることを優先させる方が賢い選択です。なんとかそこで2-3年頑張って、次は外部に転職すればいいのですから焦りは禁物です。会社の規模が小さくて、社内でのキャリア変更ができない場合は、自分の今までの人脈を洗い出し、引っ張ってくれそうな人がいないか考えましょう。

さて、話を彼のことに戻します。彼は最終的に外部に出ることを選択しました。つまり、転職して人事の仕事を得るという道です。6か月ほどかかりましたが、無事に転職できて良かったと安心していました。

それから3か月後、もう一度相談したいと連絡を受けました。なんと、オファーの時に言われていた給与・福利厚生のパッケージと、入社してから受け取っている内容が違うとのこと。いわゆるブラック企業だったというわけです。まぁ、未経験者を採用する企業なので、何かあってもおかしくはないようには思いますが、とりあえずどうするかです。

今すぐ辞めたいと言われましたが、思い留まるように強くアドバイスしました。キャリア変更したものの、2か月で仕事を辞めてしまうような人を、次に誰が採用してくれますか。ここは踏ん張らないと負のスパイラルに入ってしまいます。就業を続けたまま、即刻、転職活動をスタートさせることになりました。

ここで、キャリアの方向性をどうするかが再び問題になりました。転職しやすいのは、「海外営業」に決まっています。人事に多少未練はあるようでしたが、LUMINAの人間重視は、「人を育成する」ことに向いていることを意味します。ダイレクトに人事の仕事でなくても、セールスで部下を持ち、彼らを育成することで、自分の緑「人間重視」を活かすことにした方が、現実的路線であることを説明しました。

セールスマネジャーというポジションが、彼の強みである赤(結果重視)と緑(人間重視)の両方を活かせる仕事なのです。方向性がはっきりしたので、彼は今、転職活動に邁進しています。

自分の強みを活かせる仕事に最初から就ければ良いのですが、なかなか難しいですし、天職だと気がつかない場合もあり、紆余曲折を経る方も多くいらっしゃいます。現実とどう折り合いをつけて、自分に向いていることやりたいことを実現させるかを考えるのが、キャリア形成のプロセスです。